素敵な片思い
「マニュアルありがとうございました。スッゴくタメになりました。これ…全部一人でまとめたんですか?」


先輩にファイルを返すと、私を見上げて照れくさそうにはにかんでいた。


「…まぁね。しばらく持ってていいよ。私は頭の中に全部入ってるから」


うわぁ…優し~い。


今日はカレシとデートかなぁ?


先輩の機嫌がいいのは良いコトだ。私も合わせて笑顔になった。


「ありがとうございます!じゃあ遠慮なく借りますね」


「それと…」


「はい」


「明日、一緒にランチ行こうか」


「…へっ?あっ…すみません。私、何て声出しちゃったんだろ…あはは」


まさか先輩にそんな事言われるとは…。しどろもどろだよ。


先輩は何を思ったか、突然私をランチに誘ってきた。


昼の電話当番、明日はうちの部署の係長がやってくれるみたい。


…なんなんだろ~、突然。


疑問に思いつつも、ハイと返事したら先輩はまたパソコンに視線を移し、仕事に戻ってしまった。



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