素敵な片思い
着替えを済ませ、ロッカーを閉める。


「お待たせで~す。行きましょうか…」


「行こ、行こ」


葉月さんに背中を押されロッカーを出ると、バッタリうちの先輩に出会った。


「お先失礼しまぁす」


私が頭を軽く下げると、先輩の表情はやや堅い気がした。


もしかして…さっきの葉月さんの言葉、ロッカーの外まで聞こえてたかな。ヤバいよねぇ。


先輩はフィッと私を避けると、そのまま自分のロッカーへと歩いて行った。


「感じ悪っ。相原さん、帰ろ」


葉月さんは私の背中をグイグイ押して、部屋の外に連れ出す。


う~ん、さっきの葉月さんの発言。先輩に聞こえてたっぽいよねぇ。


自分が言ったわけじゃないけど、同意も反論もしなかったから、私も同罪だよね。

明日キツくあたられるかなぁ~。


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