素敵な片思い
私が今日来る予定じゃなかったにしては、本当に片付いてるから…びっくりした。


今朝脱ぎ散らかした服が、その辺に散乱してても良さそうなのに


リビングは意外にも片付いていた。




間取りは、広めのリビングと合体したカウンターキッチン。物が少ないせいか、思ったよりゆったりしていた。


リビングには二人掛けの小さなソファと、窓際にベッド。


「鍋適当に使ってな。カノジョが張り切って一式揃えたんだけどさ~、ほとんど使ってねぇから」


杉浦くんはスーツを脱いで、ネクタイを外しながらキッチンに立つ私に言ってくる。


本当だ。道具だけは立派だわ。お皿もお箸も調味料もあるし、バッチリだよ。


「えっ?ちょっと…そんな格好でこっち来ないでよぉ」


見れば杉浦くんは、ベッドの上にシャツを脱ぎ捨て、トランクス一枚になっていた。


「しょーがねぇじゃん。普段こーなんだし。自分ちで何で気ぃ遣わねーとなんねぇワケ?」


いやいや、客人が来てるんだから、少しは気を遣おうよ…。

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