素敵な片思い
うわ。


杉浦くんだ。


思わず目を逸らしたものの、どうやら私をじっと見ている感じ。


もう一度杉浦くんの方を見ると、難しい顔をしてこちらに歩いて来ていた。


私の席の近くまで来ると、手のひらを上に向け、人差し指をクイクイとやり、そのまま廊下に出て行った。


何言われるんだろ。


キレて出て行ったから、怒ってる?多少不安になりながら、私も廊下に出た。


「…何?」


「何って…。怒ってんだろ?謝るよ…マジで悪かった」


杉浦くんは、頭をかきながらため息をつく。


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