素敵な片思い
「え?私の家の近く…ですか?そんな、いーです!とんでもない…」


「嫌やったら、降ろすけどやなぁ」


笑いつつも軽く口を尖らせる小玉さんに、胸がキュンとなる。


「嫌なワケないじゃないですかぁ…。じゃあ、お願いします」


「初めっから素直に聞いたらえ~ねん。滅多にないで?こんなん」


小玉さんは、フフっと笑って車を走らせる。


何でなんだろ…。


どうして送ってくれるの?


他意はないんだろうけど、愚かながら、期待してしまう。








「小玉さん、さっき…すみません」


「は?何のこっちゃ」


「電話中なのに…話しかけて」


「あぁ、えーよ。大した相手やないから」


とは言うものの、小玉さんのあの時の一瞬の表情は…忘れられない。


うわ、今言うか!?みたいなカオだったもんなぁ…。


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