素敵な片思い
「小玉さん」


「おぅ、どした?」


「あの…。小玉さんって、カノジョ…いますか?」


知ってるケド。知らないフリ。


小玉さんがどういう答え方をするのか、反応を見てみたい。


「…カノジョ?聞いてどーすんの」


…え。


あっけらかんとした表情で、逆に聞き返されてしまう。


え…と。そう返されると、辛いんだけど。聞いちゃダメだったのかな。


「…いるのかなぁ~って」


「何でそーいう聞き方なん。おらんて言って欲しいか?」


小玉さんはニッと笑い、急ハンドルをきった。


ひゃあっ。


瞬間車体が揺れ、体が小玉さんの方に傾く。


「危ないですよぉ~!?もぉ…」


「悪い悪い。相原さん、セコいなー思ぉて」


セコい?


私が?


キョトンとしてると、小玉さんは路肩に静かに車を停車させた。


そして、ポケットをゴソゴソするとハンドルを握ったのと反対の方の手を


私の顔の前に差し出した。


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