素敵な片思い
「…すみませんでした」


座席で小さくなってると、小玉さんはフゥとため息をついた。


「あんなぁ。オレ自信なくなってもーてな…」


「プラス思考の小玉さんが…ですか?」


「せやな、人にはえーカッコするくせして、オレ自分のコトはあかんわぁ」


カノジョと…何があったんだろ。


これ、突っ返されたのかなぁ。


「何が…あったんですか?」


「情けない話やで。笑えへん?」


笑うっていうか…場合によっては、笑顔になるかも。


小玉さんが、カノジョと別れたんだとしたら、願ってもないことだもん。






小玉さんはちょっと悲しそうな顔をすると、背もたれにもたれたまま私の方を見る。


「あんな、転勤やねん」


「てっ…転勤?え、小玉さん、転勤ですか!?」


慌てて言うと、速攻否定された。


「あ、言い方悪かったな。ちゃうねん、アッチが」


…へっ?!カノジョが転勤?


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