素敵な片思い
小玉さん…。


どうして…私の前でそんな泣きそうな顔するの?


そんな顔見たら…


どうしようもないぐらい、カノジョが大好きなんだって、


嫌でも気付かされる…。






小玉さんの意外な表情を見たのと合わさり、私の胸はギュッと締め付けられた。


「もともとなー。あっちの方がしっかりしとんねん。

仕事もバリバリしよるし、オレなんか置いてきぼりやん。それでも、何とかうまくいっとったんやけどなぁ…」


しっかり者のカノジョなんだね。だけど小玉さんも私からしたら、頼りがいあるのに…。


「旅行会社…でしたっけ。杉浦くんに、チラッとだけ聞きました」


「そそ。転勤するなら、当分一緒に住まれへんしやな…籍だけでも入れよか思おとってん」


ズキ


だよねぇ。もう十年近く付き合ってたら…そろそろって、なるよね。


後から少しずつ知らされる小玉さんとカノジョのいきさつに、


私の胸はどんどん苦しくなってくる。


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