素敵な片思い
「そしたら…それは嫌や言われたわ。おまけに、サプライズで用意しった指輪も、見せる前にいらんやと。

ほんま、アホやで。プロポーズしよかて、決めセリフ必死に色々考えとったのに全部パァや」


うっそぉ…。


小玉さんのカノジョ…酷いよ。いらないって…こんな愛がこもった物を?


七色の繊細な光が…幾重にも重なり、薄暗い車内でキラキラと光を放つ。


小玉さんがカノジョの為に用意したこんな貴重な物…私がもらっちゃ、いけないよね。


「これ、返します。小玉さん、ダメですよ。ちゃんとカノジョと話し合って下さい…」


「どないやろ。多分、あんまり言うたら、ホンマに仕事辞めてまうわ。それは絶対…嫌やねん。

せっかく掴んだ夢やからな。あいつがやりたい事、やって欲しぃねん。それに、人の為に自分を犠牲にする生き方…めっさ嫌やわ。

しかもその原因が自分やとか、嫌やろー」


小玉さんは、とうとう車のエンジンを止めてしまった。


多分、話が長くなるから…かな。




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