素敵な片思い
「…オレなぁ。親が転勤族やったから自分が就職する時は、転勤ない会社に入りたかってん」


「うちの会社…希望がない限り、転勤ないですもんねぇ…」


あの関西弁の部長も、関西から転勤してきたのかと思えば、元々こっちで就職して、地元の関西に一時期希望転勤して、またこっちに戻ってきたらしい。


「就職浪人したけどやな、やっと入った会社やん。クソみたいな仕事やけど、愛着あるしなー」


クソって…。思わず、笑ってしまう。


「…小玉さん、すみません。真剣な話なのに笑っちゃって」


「ええよ。せやから、オレかてここで基盤築きたいし、今はまだ転勤願い出すわけにいかんねん。

好きな事やらせてやりたいんやけど離れる自信もないし、なぁんか、いつもうまくいかん…」


「そんな…急がなくていいんじゃないですか?

しばらく離れて住んでみるとか。」


こんなアドバイス…本当はしたくないけど、今の辛そうな小玉さんを見ると、そう言わずにはいられなかった。


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