素敵な片思い
カバンを持って席をたつ。


私に背中を向けて座ってしまった杉浦くんにそっと近寄り、前に回って声をかけた。


「…杉浦くん、お疲れさま」


私の声に、彼は驚いたように顔を上げる。


「は?」


オイ。


は?…はナイでしょ。


杉浦くんは、何でオレに話しかけんだよと言わんばかりの表情をしていた。


でもすぐに、その表情を崩す。


「アレ。もしかして…さっきオレに手ぇ振ったのって相原?」


「…うん、突然でびっくりしたよね」


「制服じゃねーからわかんなかった。いや、正直ちょっとびっくり」


杉浦くんは私を上から下まで、マジマジと見る。


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