素敵な片思い
「昔もなー、遠距離で一回あかんようなってもーてん」


遠い昔を思い浮かべるような、小玉さんの瞳。


「そうなんですね…」


「そ。オレ、メールとか電話でマメに連絡取るん苦手やし。だんだん面倒くさなってくる。あかんねんなぁ…」


小玉さんは、また頭を抱えてしまう。


「カノジョとは、高校から付き合ってるんですよね?その時とは状況違うでしょうし。

そういうので、ダメになるなら…それまでの仲ってコトです。ま、きっともう腐れ縁で、別れられないと思いますけどね?」


自分の気持ちは悟られないよう


精一杯の笑顔で言ってみる。


私…


本当はこんな事が言いたいわけじゃない。


小玉さんとカノジョが


これでダメになればいいのに…なんて、心の底では思ってる。


でも、言えないよ。


だって…小玉さんの気持ちが、痛いほど伝わってくるから。





小玉さんって…


私が思うより、脆い人なのかもしれない。




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