素敵な片思い
繋がれた手
「相原さんは…、片思いした事ある?」


「へっ?え…まぁそれなりにありますけどぉ」


今も、短期間だけどそうだし。


ドキドキしつつ小玉さんを見る。


「…その子なぁ、片思いした事ないねん」


「へっ?そーなんですか」


それは…羨ましい。今まで全ての恋愛を手に入れて来たって事?


「高校ん時、オレが一方的に好きんなって、押しまくりやん。んで、やっと好きんなってもろた」


当時を思い出したのか、小玉さんの顔から笑みがこぼれる。


…羨ましい。小玉さんに見初められたなんて、幸せなカノジョだぁ。






「それ初恋やて。まさか思うたけど、えらい田舎に住んどった子やから…周りはいつもおんなし顔ぶれで、そういう対象に見えへんかったらしーわ」


「へえぇー…。私なんて幼稚園から好きな子いましたけどねぇ」


「せやろ?何しか色々あるよなぁ。

だからなぁ、選択肢あったハズやのに…ずっとオレと付き合うとるから、狭めてしもたかな…とかな。

オレやなかったら、仕事しながらうまくいく方法は他にもあるやろなーとかな、思うワケよ」


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