素敵な片思い
「でも…小玉さんだから、好きなんじゃないですか?カノジョさんは…」


「そーなんかな…」


「そうですよ。だって…」


だって…


私も、好き。


喉まで出かけて、言葉を呑み込む。






私が告白してる場合じゃないってば。


今は、小玉さんの話を聞くんだ。






小玉さんって…プラス思考って言ってた割に、そうじゃないよね。


あの時缶がゴミ箱に吸い込まれていったように…きっと、何か裏付けがないと…プラス思考になれないんだ。


だったら…。






「…小玉さん流でいくと」


咳払いをして、小玉さんの顔をじっと見つめる。


「オレ流?」


「そーです。私が今からこのリングを小玉さんに返します。右手か左手か、どっちかに握ってますから。

…当てて下さいね。当たれば、カノジョにもう一度、プロポーズして下さい。ハズレたら…」


トクン、トクンと


高鳴る胸。







初めて会ったあの日のように、


真っ直ぐ私を見る


小玉さんの瞳に…


吸い込まれそうになる。





< 224 / 484 >

この作品をシェア

pagetop