素敵な片思い
「とにかく、これはお返しします…」


リングを持ったままの小玉さんの手を押し戻す。


「さよか。あ~、コレ見るのも嫌なんやけど」


「じゃあ、どーしてポケットなんかに…」


小玉さんは目の前に石を持ってきて、リングを少しずつ傾け、その輝きを確認する。


「今日捨てよー思ぉとってん」


「嘘っ、捨てちゃダメですよぉ…」


「やろ?さすがに、捨てられへんかったわ。せやから、相原さんにもろぉて欲しいな…と」


「他人の為に買った物、貰って…私が喜ぶって、本気で思ってます?」


「いや…。怒ってんのやったら、堪忍やで。相原さん、指輪好きそーやし。でもな、薬指に指輪しとったらオトコ寄ってけーへんで?」


「ほっといて下さいよー」


「えぇな~思ぉても、相手が警戒しよるわ。それで色々逃して来たんちゃうかぁ?」


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