素敵な片思い
「ちゅーコトで、オレ寝まっすわ。ありさ、もーちょっとイス下げてもえーか?」


小玉さんはまた振り向いて、イスの背もたれに手をかける。


「えー!この車ただでさえ狭いんですから、やめて下さいよー。足キツーイ!」


ありさちゃんの返しも容赦ないなぁ・・・。


杉浦くんのこの車一応五人乗りだけど、スポーツタイプだから基本二人乗りなんだと思う。後ろは確かに、狭い。


「ありさー、オレの車が狭いとか言うなよなー」


「だって狭いじゃんかーっ。私は電車でも良かったんだから。杉浦のミエでしょー、新車にみんなを乗せたいって言う」


「んでだよ。新車汚れるからホントは乗せたくねーに決まってんだろー、雨でも降ってみろよ。足元グチャグチャだぜ~?」


「小さいオトコっ」


「うるせーよ、態度も体もデカ女っ」


杉浦くんとありさちゃん、プチバトルになってる。


内容は・・・だんだん小学生並に。



苦笑してると、振り向いている小玉さんと目が合う。

「二人いつもこうなんですか?」


「せやねん。もーこうなったら、ほっとくしかナイ」


小玉さんはあくびをしつつ、そう言った。





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