素敵な片思い
さっきのは、小玉さんだから言ったんだからね?


杉浦くんに揉んであげるのは、モッタイない。


なーんて。そんな事言ったら、余計拗ねそうだね。





「うぉ~、よぅ寝たわー。杉浦もたまには、えー仕事するやんけ」


「ハイハイ、みなさんお宿に着きましたよー。女子のバッグは男性陣が持ちますからっ。はい、小玉さん。ありさの荷物」


杉浦くんは、私のより遥かにデカイありさちゃんの旅行バッグを小玉さんに押し付けた。


あまりに大きくて、一瞬よろける小玉さん。


「ありさの、デカッ!たった1泊やん、何入っとんの?」


「色々ですよー。女子は身だしなみが一番ですからぁ?」


「身だしなみて。こん中の、誰に見せんねん」


小玉さんは呆れながらも、ヨイショとありさちゃんのバッグと自分のバッグを両肩にかついだ。


「小玉さんのバッグ、私が持ちましょうか?」


思わず声をかけてしまう。


「えーねん、オレのん着替えとパンツだけやし」


「小玉さん、パンツも着替えだっつの」


すかさず杉浦くんが、横から入ってくる。



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