素敵な片思い
「か…会社の人に噂で聞いたの」


うわぁ、嘘っぽい。


杉浦くん、めちゃくちゃ怪しんでるよねぇ。


「…へー、変だな。うまくいってない話、多分オレしか知らねーと思うんだけど」


しょうがない…。言ってしまおうか。小玉さんと営業車で話した事。


そしたら、彼女の話をめったにしない小玉さんが


何で私にそこまで話したのか


…杉浦くん、根ほり葉ほり聞いてきそう。





指輪を預かった話はしちゃマズいよね。いらないって言われた所まで話す?


黙ってると、杉浦くんはそれ以上聞いて来なかった。


…あれ?ちょっと拍子抜け。







「あ~あ。何か気分悪っ。相原、カバン自分で持って来いよなー」


えっ?


杉浦くんは自分のバッグだけを持ち、さっさと宿に入って行ってしまった。


どこのポイントが一番杉浦くんを怒らせたんだろー。





私が杉浦くんを好きじゃなかった所?


杉浦くんしか知らないはずの小玉さんの秘密を、私も知ってたから?


それか…


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