素敵な片思い
「いいじゃん、杉浦。アホだけど結構使えるよ?」


ありさちゃん、可愛い顔して言う事怖いよぉ。でも…笑っちゃう。


「杉浦くんのマンションに行ったのはぁ…なんか可哀想になって。男の一人暮らしだし、ちゃんと食べてるのかな?とかで、ご飯作ってあげる事になって…」


「へ~。で、飯作ったんだ!?やるぅ!海も積極的だよね」


「いやいや。積極的とか…じゃないし」


「フツー作んないよ?杉浦も…そりゃ勘違いするよ。可哀想~。海って、案外ひどいね」


え…。ひどい?


「初めは断ったんだよ?でもギブアンドテイクだとか、寂しそうな目で見て来たり…。

あぁそーだ、その時彼女から電話かかってきたんだ。旅行に行けないって」


そう…。だから、成り行きで?行く事になったっていうか。


あの時杉浦くんが、少し小さく見えたんだ。


「それでも、私なら行かないな。だって…何かあったら嫌じゃん」


ありさちゃんの言葉を聞いて、確かにそうだと思った。


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