素敵な片思い
「あーっ!」


冷蔵庫に頭を突っ込んだまま、突然ありさちゃんがでっかい声を出す。


「どうかした?」


「買って来たビール、さっき全部飲んじゃったみたい。三四郎のペース早い早い。上にまだあと少し残ってるけど…どうしよっかなー。足りなかったら嫌だなぁ」


「じゃあ今度は私が行こっかな。ありさちゃんはゆっくりしてていーよ。何本ぐらいいる?」


「海に頼んじゃっていいのー?え~とね。小玉さん5本はいくよね…杉浦もまだあんま飲んでないしぃ…私は焼酎飲むからいらないとして…」


ありさちゃんはぶつぶつ言いながら天井を見上げ、指折り数えてる。


杉浦くんと行って、って言われそうだから、初めに念押ししておかなきゃね。


「私一人で行くね」


「重いよ?」


「大丈夫だよ。力はあるから」


「500mlを12本ぐらいかな。…大丈夫だよね?」


「うん。平気~。じゃあ行ってくるね」





酒屋は、思ったより近くにあった。


昔ながらのといった感じの小さな商店。お店に入ると、気の良さそうなおじさんが出てきた。


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