素敵な片思い



宿に戻ると…


ありさちゃんたちは、既に出来上がっていた。


結局、三四郎くんとさゆりちゃんの部屋で飲んでるし。


…夕飯の準備も、なぜかこの部屋に6人分用意されていた。


「海~っ、ごめんねぇ。ビール足りない~っ、杉浦ついでよ」


ありさちゃん、杉浦くんを足蹴りしてケラケラ笑ってる。


うわ…めちゃくちゃ酔ってるし。


顔に出ないから、宿の人が見たらナチュラルハイだよぉ?


しかも…さゆりちゃん以外


みんな全く顔に出てないし。





「相原さんは、私の隣ぃ~っ!」


部屋に入った途端、さゆりちゃんが私の腕を引っ張る。


ハイハイ…


さゆりちゃんの隣に座ると、杉浦くんが目の前にやってきた。


「相原、何で黙って行ったんだよ…。オレも行ったのに」


いや。


言ったら来るじゃん。


…そうとも言えず、とりあえず笑顔。


「大丈夫だよ。私、力はあるから」


「そーいう問題じゃねぇの!」


杉浦くんは空いたビールの缶をまとめ、部屋の隅に片付けながら、またブリブリ怒っていた。


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