素敵な片思い
「別に何も~?女グセ悪い男がいるから気をつけてつったダケ」


三四郎くんは私から慌てて離れると、さゆりちゃんの隣に座り直した。


杉浦くんは、何だよーって言いながらまたビールを空ける。


「ちょっとぉ…みんなご飯の前に飲みすぎだよ?小玉さんのビールまた足りなくなるよ」


小玉さん、この部屋の中にはいない。


トイレかなと思ったけど、それにしては長いよーな。


「あぁ…小玉さん、さっき出てったぜ」


「出てった?」


そしたら横からありさちゃんが入ってくる。


「そ。電話かかってきてさー。モメてたよね」


モメてた…?仕事の事かな。


「…あ!小玉さんだぁ~。さゆりはココですよぉ~っ」


テンション高めのさゆりちゃん。入り口に小玉さんを見つけ、大きく手をふる。


小玉さんはそんなさゆりちゃんを見て、手を軽くあげただけだった。


…小玉さんどうしたんだろ。何か機嫌悪そう。


いつもなら、何か一言言いそうなもんなのに。


…どうしたのかな。



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