素敵な片思い
これは…罪ですか?
カラカラカラ
街灯のポツポツ灯る、夜の田舎道を…小玉さんと二人で歩いていた。
手には台車。
杉浦くんとありさちゃんが借りたかどうかわからないけど、あの酒屋さんの台車が冷蔵庫の脇に置いてあったから、私が借りたのと一緒に返しに行く事にした。
「相原さんえらいな~。オレやったら返さへんで?」
「えーっ!小玉さん意外と悪人ですねぇ」
私の言葉に小玉さんはフッと笑う。
「意外かぁ?オレ結構悪いで~」
「またまたぁ。小玉さんは、借りた物は、ちゃんと返すヒトだと思ってますから」
「相原さん、オレ買い被りすぎやわ。何でも適当やし…。ホンマ」
小玉さんは私の前で台車を押しながら、たまにチラチラ振り返ってる。
…ほらね。
黙ってどんどん進まない辺りが、小玉さんの優しさなんだよ。
適当かも知れないけど、小玉さんは優しいよね。