素敵な片思い

「小玉さん、指輪…返しますね。私が持ってちゃいけませんから」


「あぁ…アレか？アレなぁ、やっぱもらってくれへん」


また～。何言ってるんだか…。


「小玉さん！そういうのはダメです。自分が心込めて選んだ物を…」


「いやいや…そこやねん」


小玉さんは頭をかくと、はぁとため息をつく。







「オレなー、指輪とかわからんから…ヒトに頼んでん」


…えっ。


ヒトに…頼んだぁ？


キョトンとする私に、小玉さんは続ける。


「しかもそいつのカードで購入やん。

人生における意味ある記念のモノを、他人に頼んで、しかも相手のカードで買うってどないやねんてカノジョに怒られてなー」


うそ。


それは…


さすがに私も嫌だよ。


だって、小玉さん…


エンゲージリングだよ？








選んでくれるのも嬉しいけど


一緒に見に行って選ぶ楽しみもある。





それを…


ヒトに頼むって。