素敵な片思い
二人で話しながら宿まで戻る。


…結局、


小玉さん、指輪はいらないみたい。


私が売りに行って、お金だけ返そうか。


そんな事を考えていると…。








「うおっ!扉が開けへん」


…えっ?







小玉さんが宿の入口の前で、扉の取ってをつかんでガタガタやっている。


「嘘やん、何でやねんっ」


「ちょっと…蹴らないで下さいよぉ」


「…せやな。くそー、閉まっとるやんけ。女将~っ!」


小玉さんは、叫んでみたけど何の反応もナシ。






時計をみると、もう明け方に近かった。


…だよね。


閉められるワケだ。


それにしても、長い間…公園で喋ってたんだぁ。


小玉さんと二人きりで、こんな風にして過ごすのは


きっともう、最初で最後だよね。







「相原さん、杉浦に電話してや。オレ、ケータイ上やわ」


そっか。小玉さん、テーブルの上に携帯置くクセがあるんだっけ。


杉浦くんに


コール…。



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