素敵な片思い
って、いいのかなぁ。こんな時間に。


杉浦くんからも、ありさちゃんからも着信はない。


きっと…


みんなあのまま雑魚寝してるんだと思う。


「電話…かけたら、きっとみんな起きちゃいますよ。どうしま…」


携帯片手に小玉さんの方を振り向いた。







…あ。








小玉さんは、扉近くの石段に転がっていた。

嘘ーっ。

さっきまで起きてたのぃ!?






大の字になって、グーグーいびきをかいていた。






…眠かったんだぁ。


帰り道、ちょっとうつらうつらしてたもんね。


それにしても…やっぱり大物。こんなトコで寝ちゃうなんて。


しかも、大の字。







話の途中で寝ちゃうあたりも、杉浦くんみたいだよねぇ…。


近づいたら、こないだの杉浦くんみたいに


…捕まえた


とかって言われるかな。








ドキ








小玉さん…


今なら、いいよね。


私にちょっとだけ


幸せを下さい。







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