素敵な片思い
「小玉さ~ん、こんな所で寝たら風邪ひきますよぉ?」


そーっと話しかけてみる。


「ん…おぉ、オレ寝とった?」


「とりあえず、このベンチに座っときましょうか。ね?」


寝ぼけ眼の小玉さんを引っ張り、入口近くにあった木のベンチに二人で腰を下ろす。


小玉さんは…


ベンチに座ると、またウトウトし始める。









…やった。


思った通り、小玉さんの頭が私の肩にもたれかかってきた。


この重みを感じる事は


もうないんだろうな。







ちゃんと、覚えておこう。


私の好きになった人との


…ささやかな


幸せなひとときを。











小玉さんは、腕を組んだまま寝息をたてて私にもたれてる。


このぐらいは、いいよね。


もしも小玉さんと抱き合ったり、


それ以上の事があったらいけないだろうけど







…小玉さんが無意識の間の


策略とはいえ、


これは…


罪にはならないよね。









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