素敵な片思い
その時、個室の入口で店員さんの声が響いた。


「ラストオーダーです!」


うわぁ、もうそんな時間なんだぁ?


はっと我に返り、時計を見る。


終電は…まだ、大丈夫だよね。


二人まだ帰って来ないのかな…と思って入口に目をやると、


揃った4本の脚が…物陰から見えていた。


うわぁ、もしかして


私が小玉さんに言ったコトバ聞かれてたぁ?


さっきまで嬉しくてトクトク言っていた心臓が、急に不安の鼓動に変わる。


やっばぁ。





「あ~、気持ち悪ぅ」

「杉浦、帰り電車で吐かないでよねぇ」

入口で聞こえる二人の声。

「オレ電車乗れねぇよー…オェ」


あれ。

もしかして聞かれてなかった?



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