素敵な片思い
席に戻ると先輩が一人で電話を取って、忙しそうにしていた。


「すみませんでした。今から私が電話全部取るんで、仕事に集中して下さいね」


先輩にそう言うと、ちょっと驚いた顔をして…


そのまま視線を逸らされた。


あら。


…ま、いっかぁ。


よ~し、今日はバンバン電話取りますよぉ?


「相原さん」


「え?」


「これ…。私が作った、電話の受け答えのマニュアルだから…良かったら使って」


…へっ!?


先輩は何を思ったか、私にファイルをそっと差し出した。


うっそぉ。


先輩に、優しくされちゃった。…何でぇ?


< 96 / 484 >

この作品をシェア

pagetop