素敵な片思い
給湯室には、誰もいなかった。


残念~。ま、そーだよね。昨日はたまたまかぁ。それか、部長のお小言が聞こえてたから…小玉さんの方から来てくれたのかも。


コーヒーを買って、そばにあるイスに座る。


自分が変われば周りも変わるのかな~。うん、そうかも知れない。


笑顔、笑顔!一人でにこっと笑ってみる。


あ…。そういえば、昨日小玉さんにここで言われたんだった。


…笑えるやん、って。


じゃあ、私の笑顔がいいねっていうのは…昨日見て、あの事務の女の人に話したんだ。


仲いいのかなぁー。


もしかして、カノジョだったりして。


…ありえるよね。


美人だし、仕事できそうだし。…よく怒ってるから、怖いけど。


まぁ、彼女と付き合ってようがなかろうが、私に見込みはないのかも。


…よぉし。


これで運試し!


入る思たら入る、って言ってた小玉さんの言葉を思い出す。


ゴクリと最後の一滴を飲み干し、缶を握り直した。

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