素敵な片思い
入る!


そして…この恋のような気持ちが、小玉さんと通じ合いますように。


願掛けのような気持ちで、ゴミ箱に向けて缶を投げてみた。


えいっ


「…何やってるの?」


「…あ゛っ」






カコン


しまった…見られた。


通路には、今朝会った、小玉さんの部署の…カノジョかも知れない事務の女性が立っていた。







カラカラカラカラ…


缶は見事弾かれ、床に転がっていく。


「あは…投げちゃ~ダメですよね?」


「ふふっ、それ…小玉くんに教わった?」


えっ。バレてるしぃ。


「まぁ…」


「小玉くんそ~いうの得意だから。もしかして入ったら飲みに行こーとか言われなかった?」


「あー…そんな感じじゃなかったデス」


確か、順序はそうじゃなかったよーな。


「へ~。そうなんだ?」


「…ハイ」


余裕たっぷりの笑みを浮かべる彼女は、私が落とした缶を拾い、ゴミ箱に捨ててくれた。


「…すみません」


「全然いーわよ。ね、昨日杉浦のトコ泊まったの?」


…ハイ?


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