The begining


「うん。ありがとう」
私は笑顔で答える。


「あのさ、しちゃダメ?」
清は聞いてくる。


「けど……、ここカラオケだよ?」
私は言う。


清も体だけなんだ……。
私はそう思った。


「ここ、カメラついてないから大丈夫」
清はそう言いながら、服の中に手を入れてくる。


もう、どうでもいいや。
私はそう考えて体を委ねる。


でも清はゴムを付けずにしてきた。
中だしはされなかったけど、妊娠したらどうしよう。
そんな不安にかられた。


いくら私がゴムつけてと言っても、つけてくれなかった。


そんなことが続いて、最悪なことが起こった。


生理が一ヶ月以上こなくなった。
妊娠の文字が頭をよぎる。


先輩に事情を話して市販の妊娠検査薬で検査する。


結果は陽性。


「子供ができたら、産もう」
清は前にそう言っていたから、すぐに知らせた。


しかし、返ってきた言葉は違った。


「おろしてくれ」
清は冷めた声でそう言った。


妊娠したなんて親に言えるわけなくて、どんどんストレスが溜まり、ストレスなどのせいで流産した。
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