好き過ぎて
ここは......

墓地?

何で、和哉はこんな所に連れて来たの?



「あそこを見てみろ。」

一つのお墓を指差す。



そこには



花を持って、手を合わせているお兄ちゃんがいた。

どうして......

こんな所にいるの?

早く、希夢さんの所に行かなくちゃいけないんじゃないの?



「柚姫......あの墓はな......」

和哉がゆっくりと口を開いた。

「お前の墓だ。」



えっ?
どういう事?

私は......ここにちゃんといるじゃない。



「柚姫、覚えていないのか?二年前の事......」

二年前?



ポツ......ポツ......

急に雨が降り始め、やがて大雨となった。

キキーッ!
不意に聞こえた、車のスリップ音......



あ......思い出した。

あの時と同じだ。あの時も大雨だった。

二年前のあの日。

お兄ちゃんと口論になって、家を飛び出した私は、和哉に見つかって......

でも、早く立ち去りたい私は、和哉を降り払って逃げようと思った時、雨で濡れた地面に滑ってスリップしたトラックが、私に突進して来て......

それで、私......

「死んだんだね......」



お兄ちゃんは、私を無視していたんじゃない。

見えなかったんだ......

私が幽霊だから......
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