好き過ぎて
「愛してる......」

俺はそれしか言葉が出なかった。

馬鹿みたいに愛してるを繰り返す俺に

希夢は優しく俺を抱き締めて

「私も愛してるわ......」

と呟いた。



俺ばかりが被害者だと思っていた。

悲劇のヒーローだと......

でも、それは間違っていた。

俺は被害者じゃなく加害者で......

俺は自分を守るのと引き換えに、周りを傷付けていた。

柚姫も

希夢も

そして、和哉も......



柚姫?

そんな俺を、柚姫は叱ってくれたんだよな。

「お兄ちゃん!しっかりしなさい!」

って。



お前のおかげで

目が覚めたよ。



俺はこれからもずっと、希夢を愛していく。

希夢が知らない間に、俺を支えていてくれたように

これからは、俺が支えて行きたい。



でもな。

絶対にお前の事は、忘れないからな!

(勿論、和哉の事も!)



だから、俺達の事、見守っててくれよな!
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