彼蜜sweet【完】
★綾乃side
「ショウくんじゃなくて、ショウって呼んでよ」
「し…しょ……しょう…?」
「ハハッ!!ぎこちねぇのなッ」
だってぇ…。
ただ今、嘘カノ演じる練習中。
ショウって呼べって言われても…。
「まぁ、慣れたらでいいけど」
お昼を食べるのも、下校するのも日直やるのも全部ショウくんと一緒。
モヤモヤを隠すように我慢する日々が続いた。
「そーんなにアイツが心配?」
「えっ?!!そんなことッな、ないッ」
「バーカッ。まる分かりなんだよッ」
私のおでこをつついてそっぽを向いてしまった。
「……別にお前をどーこーしようって考えはないからな」
「え?」
「安心しろ…アイツが素直になるまでだから」
陽だまりの中、東の顔だけが浮かんで離れない。