彼蜜sweet【完】
ふざけんな…。
ブツッ
ツーーーーーーーーーーーツーーーーーーーーー
無意識に切っていた電話の寂しい音が何度も何度も頭の中でリピートされた。
「…っど―ゆ―事だよっ…」
もーマジだせぇ。
ショウと駆け落ちしといて、親の都合で棄権?
俺が初めて認めた女は、綾乃はどーなる?
このままショウとずっと一緒ってか?
「ハハ…ハハハッ…ざけんな………ざけんじゃねぇ――――!!!」
笑いと悲しみがこみ上げる中、一筋の冷たくてしょっぱいものが俺の頬を伝った。