彼蜜sweet【完】
「…やっぱ…ずりぃ」
「だから何がっ?!」
「んでもねぇよ!//」
言葉よりも早く出たのは俺のゴツい手。
それに付いてくるかのように差し出された、白くて小さい手。
俺の手にすっぽり納まっちまう。
「帰るんだろ?・・・」
「うん・・・・・」
手に熱がこもる。ヤバイくらいに心臓が脈打つ。
体験したことのない緊張感と快感に浸っていた俺。
今まで、女というgameに俺という主人公を加えただけのつまらないゲームだった。
いろんなところにゲームを仕掛けて、別れを告げたときのあの辛そうな顔を見る度
冷たい快感と優越感に浸っていた。
なのに・・・コイツと居る時はそれが出来ない、ヘボぃ主人公の【俺】になってるんだ。