彼蜜sweet【完】
「あぁ、帰ってたのか」
「あぁ」
親父に声をかけられ不覚にもビクついてしまった。…帰ってればいつものことなのに。
口をきくといつも喧嘩するから俺はあえて親父と喋らない。
「お前…学校はどうなんだ」
「………。」
「…親父にする態度がそれか…」
始まる前にこの部屋から出る、それが今俺の頭を支配している。
俺の部屋にアイツが待ってるし。
冷蔵庫にあった缶ジュースとケーキを取り出した。珍しく今日は御袋が甘いものを食べたくなったらしい。
静かに閉め、親父を睨む。
昔から仲の悪い親子だったな…と考えても苛々する。
「どーでもいーだろ」
「なんっ…!!!」
バタンッ