彼蜜sweet【完】
どうせコイツからはキスしてくれないんだろうけど。
強がり言って俺を怒らせることくらい目に見えて…――――。
一度目を閉じて一呼吸置いた。もうバッチリ怒られて俺から離れることくらい分かってるよ。
でも、それを裏切るようにりんごみたいに赤い小さな顔が俺の目の前にあったんだ。
「別に……好きとかじゃ…ないんだからね…――――」
目を疑った。
けれど、唇に当たったその柔らかい感触は
甘いシャンプーの香りは
本物だったんだ。
―――――――――――チ、チュ……///
恥らうように触れたキス。
決して上手だとはいえないけど、俺を精一杯受け止めてくれたことが嬉しくて。