彼蜜sweet【完】
ガーーーッ
音が酷いが今は隠すのが先!
「絶対静かにしてろよ」
コクリと頷いた綾乃を確認してからクローゼットを閉めた。部屋の端にある唯一死角の場所。
黒だから中身も見えないし絶好なところだろ。
……魔の扉が開く。俺死にそうなくらい心拍数やばいんですけど!
「大和?ケーキいらないの?」
ひょっこり顔をだしたお袋。綺麗とは言いがたいが俺等の母親年代からすれば若く見えるほうだと俺は思う。
「いらねぇよ…」
「……そう」
一瞬寂しそうな表情を俺に見せた。それから俺の度肝を抜くような嗅覚を発揮(笑)
「ねぇ、さっきから甘いシャンプーの香りがするんだけど…」
一瞬俺は体が動かなかった。図星さされちゃマズイ…
「えっ?!あ、あぁ俺シャンプー変えたんだった!ハハ…」
(やべぇよ、マジで)
苦しい言い訳がお袋の耳に届くはずもなく……
「…もしかして…」