彼蜜sweet【完】
最近は俺の事警戒しなくなったのか、昼飯も帰りも誘ってくれるようになった。
うかつに手を出せないのが悔しいけどな。
「大和―、早くしねぇと鶴(体育の先生)が怒るぞ――」
「あぁ、分かってるって」
ジャージの裾をぐっと握り締めて見えなくなった綾乃を目に浮かべた。
もうすでにこれは 綾乃症候群 じゃねぇの?(笑)
「お前さ?」
「んだよ」
ショウが真剣な眼差しで俺を凝視。
妙に似合うジャージをさらにかっこよく着こなしている。
俺は胸元はだけさしてるだけに対して色々凝ってる。
「女遊び…しなくなったらしいな?」
「・・・」
「あの‘綾乃ちゃん’っての?…あの子ターゲットにしてから」
あぁ…――――俺は最低なタラシだったんだっけ?
今思い出した。なんか笑えてくる。
「ははッ…今のオモチャで十分間に合ってるからな」
「いや、お前はいいんだけどさ…綾乃ちゃんが心配なんだよ」
は?ショウが人を心配?今までありえなかった事態にあたふたしてしまった。