彼蜜sweet【完】
「はぁ…」
大きなため息をついて、ふらつく足取りでトイレへ向かった。
泣くな…
まだ…だめ。
ここで泣いたらアイツが飛んでくるもん。
何問題起こすか分からないから…私のせいで東を傷付けたくないから。
トイレまで後10m。
「…綾乃ちゃん?」
肩をポンっって軽く叩かれ、驚いて振り返った。
緩んでた涙腺がキュッと引き締まる。
「え?」
「綾乃ちゃんだよね?」
「え、あ…はい、そうですけど…」
何か見たことある顔だな。
馴れ馴れしく 綾乃ちゃん なんて呼ばれて気分はガタ落ち。
今は1人がいいのっ!
「俺、大和のダチの‘倉島 ショウ’です★」
「は、はぁ…」
あぁ…だから私の事知ってるのか。
うなずくだけの私に少し動揺したみたい。