”未完全”
綾乃は、黙ってその男を見ていた。

多分、歳はそんなに変わらない。

不良っぽい男である。


「まぁ、誰でもいいけど。俺、お前に

興味ないし、昼寝中だから、大きい声で、

独り言言わないで。おやすみ。」


男のその言葉に、綾乃は、立ち尽くしていた。

やたら、顔が熱くなるのが、感じられた。

聞かれていた…。興味ない……。

失礼…失礼な奴だ。

綾乃は、早足で、その場を

通り過ぎた。

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