この空をキミにあげる。
第4章
このそら
夢也は涙を流していた。
「ん、」
あたしに一枚の写真を差し出した
「里花が気失ったときに、見つけた。」
写真の裏には
「空が大好きな里花に
あたしが一番心に残った空を
里花にあげるね
柚」
涙が耐えなかった。
あたしは空が好きだ。
嫌なことも、
時も
忘れられる
空を見てると、この空の向こう側に悲しみがあるのか
分からなくなるくらい、
空はおっきくて、包み込んでくれる。