この晴れ渡る青空の下で
「しかも殺人とか暴力団とか危ない事件ばっかり。うちね、父も刑事で、兄は父の意思を継いだみたい。……私は今回みたいになるのが怖くて、本当は嫌だったんだけど」



犯人逮捕の際の『鈍器による頭部強打』と『2発の銃弾を浴びた為の内臓損傷』。

もう入院して1ヶ月経つけど、容態は安定してきたのに目を覚まさないのは、頭部への衝撃が原因かもしれないとの事。



「そうかぁ」

大地くんが深々と呟いた。



あっ、なんか重く受け止めちゃったかな?

そう思い、私はフォローした。



「でもね、刑事になるのは兄の夢だったし、私もOL辞めてテープ起こしの在宅の仕事しながらだけど、昔からの夢だった小説家目指して書いてるの」

「へぇ……小説家かぁ」

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