この晴れ渡る青空の下で
「あの、おいっ」

とりあえず、そう声を掛けると、ちょっとだけ行きかけていたその子の足が止まって、再び俺の方を見た。



そして、俺が名前を訊こうとした瞬間。



「きぃー、終わったから、こっちにいらっしゃい!」

お母さんらしき女の人が、その子に向かって手招きしていた。



「はーい!」

その子はそっちに向かって返事をすると、また俺を見てニコッと笑った。



「じゃあ、またね!」



えっ? 『また』?

俺が疑問に思っているうちに、その子は走って行ってしまった。

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