この晴れ渡る青空の下で
あっ、結局、名前を訊けなかった……。



お母さんらしき人のところに着いたその子は、俺の方を見て、身振り手振りで何かを話していた。

どうやら、俺のお母さんや岡村さんと話していた、お父さんの教え子の家族だったようで、近くにいた岡村さんが何かその子に話し掛けていた。



俺は、さっきの言葉を考えていた。



『じゃあ、またね!』



お互いに名前も知らないし、何処の誰かも分からないのに?

『また』?

多分、口癖のような感じで、そう言ったんだろうけど……。

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