この晴れ渡る青空の下で
「ごめん。私、あのまま寝ちゃったんだね。邪魔だったでしょ?」

大地が今度は優しい笑顔で左右に首を振った。



「逆に、嬉しいね。今までの緊張が解けるほど、俺の傍だと安心してもらえるのかと思うと」



それが癖なのか、大地はまた私の髪を、クシャとする。

私も釣られて笑顔を作った……が、あれっ?



「あっ! お兄ちゃん! それに愛子のお迎え!」



もう辺りは真っ暗で、それに『面会時間終了』って言ったら、夜8時じゃない!

すると今度は、クスクスと笑いながら大地が答えた。



「お兄さんは落ち着いたって。まだ意識は戻らないけど、安心していいって。で、愛子ちゃんは看護師さんに頼んで保育園に電話してもらったら、1人ここの近くに住んでるって先生が居たらしくて、その先生に送ってもらって今チャイルドルームで遊んでるよ」

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