この晴れ渡る青空の下で
そこは個室に花が1つ飾られてるだけで、後はベッド脇のテーブルに何冊か本があるだけの、ちょっと殺風景な印象の部屋だった。



「すみません。こちらに女の子、逃げて来ませんでしたか?」

右足がギプスで固められ、右腕も三角巾で首から吊られ、痛々しい姿の男の人が1人しかいなかったので訊いてみた。



すると彼は優しい微笑みをした。



その瞬間。

何故か心の中に、雲1つ無い青空と爽やかな風の映像が浮かぶ。



えっ、何、この不思議な感覚?

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