この晴れ渡る青空の下で
「何? 逃げられちゃったの?」

「えっ、ええ」



私はさっきの不思議な感覚に戸惑いながら答えた。



「あの……ここに入ったように見えたもので……すみません」

「あなたの子供?」

「いいえ、兄の子なんですけど、いろいろと事情があって……」

「そっか。あっ、俺、日高大地。よろしく」



彼は無邪気な笑顔で自己紹介した。

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